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中性~弱アルカリ性がよい【闘魚ベタ初心者は必見!】寿命を延ばすには水質管理で病気予防を|ヒーター必須|繁殖方法|

シャムの戦い魚

ベタの種類は多岐にわたりテールの形や開き方が豊富で色合いも様々。ベタに魅了され知らず知らずのうちにはまってしまう事をベタ沼と表現されるほど奥深く、飼育の醍醐味は格別。とても美しい観賞用熱帯魚です。原種ベタ・スプレンデンスを品種改良しシンプルな色彩で美しいテールとバランスの良いスタイルをしたベールテールは実に美しい品種です。日本ではトラディショナルベタ通称トラベタで親しまれています。美しいブルーや鮮やかなスーパーレッドが代表的です。ショーベタとしてコンテストにおいて頻繁に出品されているハーフムーンは尾ビレが半月のように大きく開きます。開き具合によってフルムーンデルタテール、スーパーデルタと分類し呼ばれることもあり色彩も単色のみならず光沢や模様は数えきれないほど多種多様です。自分好みの個体に出会えた時の喜びはひとしおです。クラウンテールはヒレ先が王冠のように勇ましく芸術性を感じる個体も多く存在します。キングテールはクラウンのヒレ先がクロスし本当にカッコイイなぁと思わずにはいられません。コームテール、スペードテール、ハーフサン、ローズテール、ダンボ、ギター、ジャイアント、ワイルド、インベリス、シャムオリエンタリス、マハチャイ、スマラグディナ、スティックトス、ギター、コイベタ、マクロストマ、ルブラ、ルティランス、ヘンドラー、アントゥタ、などなどetc...テールの形や光沢、色合いにそれぞれの個性が光ります。ペットショップで販売されているベタは観賞魚用に品種改良されてきたベタがほとんどです。ベタの原産地であるタイの気候は熱帯季節風気候。年間を通じて気温が高く平均気温29度ですからベタに寒さには厳禁です。飼育水の適温目安はおよそ25度~28度がよいとされています。それ以下になると病気になりやすい環境となります。寒い季節は必ずヒーターを設置しましょう。日本においてベタをビンで飼育できる季節は温かくなる春先から夏場を超え、せいぜい秋口までと限られています。寒い時期や冬場の水温は特に注意して病気予防第一を念頭に置きます。気温が低くなりはじめる秋口からは必ずヒーターを準備し水温対策をしっかりとらなければなりません。低温でも大丈夫といったブログも見かけますがベタは比較的、強いので生きられているだけなのです。低温での飼育は病気を誘発しやすくベタにとっては暮らしにくいため可哀想です。低温での飼育は寿命を短くする環境であると言えます。夏にビン入りのベタを購入した場合も越冬対策にヒーターは必ず用意します。水槽の水交換も定期的に行い水質低下を防ぎましょう。エサの食べ残しや排泄物で水が汚れるとpH値が下がり酸性に傾きます。水の容量が少ない飼育環境の場合、エサの食べ残しや魚の糞尿による水質悪化が出やすいため特に頻繁な水替えが必要です。水の容量が少ない環境であれば水質の変化も激しくなります。例え小さなコップで販売されていたとしても本来、ベタを健康に育てる為にはある程度の水量を確保できるプラケースや水槽を用意すべきです。水質が悪化するとバクテリアや水草では除去しきれない有害物質が増えコケが発生しやすくなるだけではなくベタが弱り病気を誘発します。水槽内で発生する有害物質には亜硝酸塩や硝酸塩、アンモニア、呼吸によるCO2などが含まれ酸性の水質に変化し汚れた水はあらゆる病気を誘発します。水槽内に常駐するわずかな菌や少量混入していた寄生虫がドッと繁殖しやすい環境に変化するからです。一度、水質が悪化し始めると菌や寄生虫が爆発的に増え悪循環が起こります。水質悪化でベタが弱り表皮がただれるのでタンパク質が溶け出す。水質は益々汚れるためベタの衰弱がすすむ。爆繁殖した菌や寄生虫が活発に活動をするようになる。弱ったベタは普段かからない病原菌に侵される。その結果、治療が間に合わないとなれば儚く寿命は途絶えてしまうのです。ですから病気の予防が第一。清潔で安全な水を維持できる工夫がベタにとっては暮らしやすい環境となります。ベタの病の原因のほとんどが低温と水質の悪化です。ベタは水質管理や水温維持に気を配り愛情をかけて飼育するほど人なつこい反応を見せてくれる愛らしい鑑賞魚です。キレイな水と温度管理に気を付けて惜しみなく可愛がりましょう。ベタは個体により性格が大きく異なります。縄張り意識が非常に高く動きが活発で気質が荒い個体もいれば物静かで比較的、穏やかな個体まで様々です。ベタにはジャンプ力が優れ10㎝を超えるジャンプ力がある個体もいるため水槽の外に飛び出す事故が多い点も特徴的です。そのジャンプ力はいつなんどきに発揮されるかは分かりませんのでフタをするか、水位を15㎝以上下げて置く工夫が必要です。水槽から勢いよく飛び出し脱走し、あえなく干からびてしまう事故が起こらないように留意しながら飼育しましょう。

種類と水質
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ベタが好む水質について大きな誤解があります。ベタは酸性の水質を好むというのは間違いです。飼育水は弱アルカリ性から中性に近い水質維持が最もベストです。日本の軟水はベタの飼育水には問題はない水質ですので水道水を1日以上汲み置きしカルキを飛ばしすだけで飼育水として使用してOKです。販売されているカルキ抜き剤は特に必要ありません。カルキ剤は大容量の水槽の飼育水が間に合わないという場合や余儀なく急な水替えが強いられ汲み置き水が間に合わない時など緊急時に用いるとよいでしょう。普段から汲み置き水をあらかじめ準備し水替えに備えておきましょう。日本の水道水のカルキとは塩素ですからエアレーションをかけたりペットボトルに入れシェイクするだけでも自然に抜けます。1日おく時間がない場合はエアレーションや容器に入れて振るだけで簡単にぬけます。この手間を省くために水道水を汲んで置いておく方法が一番楽で簡単な訳です。ベタは特有のラビリンス器官を持ち空気中より直接酸素を取り入れることができるためビンなどの水中の酸素が少ない環境でも飼育することができることから弱酸性で飼う。と言う間違った飼育法が流布しているようです。この誤解は残念なことに販売店業界にも色濃く浸透し未だ弱酸性を推奨する業者が後を絶ちません。ベタはキレイな飼育水が大好きです。アンモニアや硝酸塩で汚れた酸性の水質はNGです。弱酸性ではなく中性から弱アルカリ性のキレイな水質を維持する事で病気の予防が可能になるのです。ベタは比較的強い為、飼育に適した水質や適温度から外れた環境でも生きてはいられる事からこの誤った認識が広まったようです。生きてはいられても悪い水質での飼育は寿命を縮めています。ベタのためには適温の飼育水では中性から弱アルカリ性を維持し病気を予防することが理想的です。タイ現地の炭酸塩硬度は比較的高いため水質を中性に戻す力が強いという特徴があります。炭酸塩硬度KHとpHは比例しますからKHが高い水質すなわち中性から弱アルカリ性のキレイな水質環境を維持しています。ベタの飼育水が酸性に大きく傾くことがありませんから中性から弱アルカリ性の水質を維持できるのです。加えて平均気温は29度。ベタにとって最も優れた環境下ですから元気で発色も鮮やかに彩られるわけです。この水質に習いましょう。炭酸塩硬度が1や2といった低い地域の水源を元にする水道を使用する場合は最低でも3~4以上に硬度を上げるべきです。出来るだけベタの住みやすい環境で飼育できれば元気で色鮮やかな発色が期待できます。飼育者の責任で出来るだけ長く寿命をのばしましょう。兎にも角にもベタの寿命をのばすには病気の予防が不可欠です。くれぐれも定期的な水替えは忘れずに行いましょう。水槽内の水は徐々に異なる水質に変化しています。特に老いたベタには余計な負担をかけない水替えの工夫がポイントになります。老いたり元気のないベタ水槽へ急激に新しい水を入れてしまうとベタに負担がかかりますから1/3くらいを徐々に加えながら水合わせをします。こまめに水替えの回数を増やす工夫で負担を軽減できます。ただし病気を発見した場合は100%の水替えが必要です。白点病や尾ぐされ病、コショウ病、ポップアイなどの症状が出た場合は複数の菌や寄生虫に侵されている場合が多々あります。水槽内の菌や寄生虫を退治しておかないとベタの治療に成功してもまた病気になってしいます。飼育水はカルキを抜いた水に0.3%の塩を添加。この飼育水で温度合わせが完了すれば100%の水替えを行って大丈夫です。病気を発症しているのに水替えを怖がり少量しか行わないと言う話をよく聞きますが病気を発症した場合は全く賛成できません。ベタにとって有害物質であるアンモニアや亜硝酸は蒸発せずに飼育水中に留まりますから半分の水替えをしても有害物質は50%残ります。次も半分しか水替えをしないとしたら有害物質は75%となり段階を経ていずれは100%を上回り急激な水質低下を招くときが来ます。定期的な水替えをしているつもりでも油膜が出たり水槽が崩壊する原因はここにあります。硝酸塩は亜硝酸やアンモニアより毒性が低いとはいえ少量ずつでも飼育水に蓄積されていけばベタの健康を確実に阻害します。現地のベタファームに年に何度も訪れ、あらゆる水源の 炭酸塩硬度KH を計測しベタの飼育研究を重ねる先生は飼育経験も豊富なベタ飼育のプロフェッショナルです。先生もベタの病の治療については「水替えに勝る治療なし」とおっしゃいます。先生の経験において飼育水にはあらかじめ塩を0.3%の添加することで病気の予防に最も効果が見られるとされています。この数値の由来は0.1~0.2%添加した場合より0.3%の塩を添加した場合の方が格段に病気発症率が下がるという経験をお持ちです。私も飼育水にはあらかじめ塩を0.3%添加して病気の予防に役立てています。塩は安価な粗塩Naclを用います。ここでは岩塩などに含まれるミネラル分や科学的に生成された旨味成分は必要としていません。岩塩を計量したり溶かす手間は無駄ですから単純なでかまいません。ベタの飼育に慣れるまでは病気の予防に塩0.3%(飼育水1リットルに対して塩3gの添加)をおすすめします。それでも病気を発症してしまった場合の塩浴治療は徐々に濃度を上げて処置します。0.5%でも治らない場合は0.7%~最終的には1%まであげて塩浴治療をします。注)ただし、蒸発した分の飼育水を補充の際は塩を含まないカルキを抜いた水を足して補います。水分が蒸発しても塩は水中に残りますから塩水を足し続けると飼育水中の塩分濃度はおのずと高くなり続けます。塩を添加した飼育水は、薬との併用に有効です。病気を発症した場合は、この飼育水に薬を加えて薬浴治療します。観賞用パラザンD(グリーンFゴールドリキッドと同じ成分メチレンブルー)系やアクデン、エルバージュ(マラカイトグリーン系)などの薬を表示どおり規定量きちんと計って加え入れます。マジックリーフは殺菌作用がありますのでマジックリーフも併用すると治療効果に期待が高まります。マジックリーフは硬度を下げますので飼育水を中性に戻す力は下がりますから酸性に傾きがちです。成魚の通常の飼育には必要はありませんが病気とはいえないけれど元気がない場合に有効であることから根強い支持を得ているアイテムです。その殺菌効果からタイ現地において稚魚の飼育現場でも歴史的に愛用されています。※水草水槽では塩浴や薬浴の影響が水草にでてしまうと危惧する場合はベタを別容器に移し水位を下げて治療します。弱っていたりベリースライダー(ベリースライダーは底に沈みがちで上手に泳げない状態いわゆるベリスラ。遺伝の場合や稚魚の時にうまくエサを取り入れられなかった個体に出やすいが水位を下げ水流を避けた環境で治療することにより改善できる場合もある。)状態の時は水位をさげて薬浴したほうが治りやすいため別容器で少量の飼育水を用い水位を下げての薬浴が基本です。低水量での治療法はベタにかかる負担を軽減するだけでなく高価な薬剤の無駄使いを防ぐことにも役立ち一石二鳥といえるでしょう。薬の効果は3日で切れるタイプや1週間ほど持続する物もあります。同じ名前の薬でも別バージョンで水草水槽にも使用可能なタイプがあります。成分を確認しメチレンブルーを主成分とするのかマラカイトグリーン主成分とするのかで用途を使い分けます。例えば白点病の場合は白点虫を退治したいのでマラカイトグリーンを主成分とするアグテンやヒコサンZで治療します。尾ぐされ病や水カビ病にはメチレンブルーを主成分とする観賞用パラザンDやグリーンFゴールドリキッドを用います。表示をよく確認の上、規定の容量を決められた日数だけ使用します。

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白点病は寄生虫によるもので水温が低くなると発症しやすい病気です。どのような水槽にも存在する虫ですから決して珍しい寄生虫ではありません。水替えを怠ったり温度が低すぎるなどベタにとって住みにくい環境下で侵されてしまう代表的な病気のひとつです。原因虫である白点虫はウオノカイセンチュウといい25度以下の低水温で最も活発に活動します。28~30度の水にする事で活動が鈍りますから温度を上げることで増殖を抑えることができます。白点病は進行が早く伝染性が高い病気ですが早期治療に間に合えば白点がとれて元に戻ります。ただし複数飼いしている本水槽で伝染病が発生した場合は白点虫が残っているため他の魚の表皮や真皮の境に寄生していたり水中を遊泳しています。水底に沈むと細胞分裂を起こし増殖。やがて泳ぎ出し再び魚に寄生するというサイクルで活動しますから寄生虫が原因の場合はこのサイクルを断ち切るために水草や水槽全体の洗浄が不可欠です。白点虫は新しい水や水草、魚体とともに侵入することが多く水の汚れや魚体の抵抗力が低下した時に爆発的に繁殖します。普段からの水質管理と観察が予防になりますから体をこすり付けるような動作をする場合は早めの治療で対応しましょう。新しく購入した個体を本水槽に入れる場合は1週間ほど様子を見て病気がないかどうかチェックしてから混浴させれば安心ですね。白点病の治療には 塩+マラカイトグリーン水溶液であるエルバージュやアクデンを同時に混合し薬浴を行います。ベタは変温動物ですので水温が体温となります。水温の変化はベタにとって大きな負担となり急激な温度降下が白点病を誘発する要因となります。
 

病気と薬浴
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ウーディニウム症はベタ飼育にあたり白点病よりもかかりやすく、治療が間にあわないと1日で死んでしまうためベタがかかりやすい病気の中で最も注意すべき病気です。寄生虫ウーディニウムが黄色っぽいコショウのような細かい点で寄生する病気でウーディニウム症やベルベット病と呼ばれます。水質悪化や低水温など環境の変化で発症します。エラに繊毛虫が大量発生し呼吸しにくいため異常呼吸になります。死に直結する病気ですから速やかに薬浴を開始します。塩+薬+マジックリーフを入れて水温を30℃前後に上げます。薬は観賞用パラザンDやグリーンFゴールドリキッドを規定量きちんと計測して薬浴します。観賞用パラザンDとグリーンFゴールドリキッドの成分は同じですが濃度が異なります。観賞用パラザンDは大きな容量の水槽ごと薬浴したい場合に計りやすいタイプの薬です。グリーンFゴールドリキッドは容量の少ない水槽やプラケース、ビンやコップなど容量が少ない水で薬浴するスタイルの場合に扱いやすいリキッドタイプです。薬はペットショップやホームセンター、通販で入手できます。ベタは病気にると重症化しやすい傾向にあります。何よりも予防第一です。尚、寄生虫は水槽内に残りサイクルを経て再び活動しますので断ち切るためには漂う原虫の退治のみならず水槽の底に停滞する原虫を全て除去する必要があります。


尾ぐされ病や口ぐされ病も感染力が高いので早期発見が重要です。カラムナリス菌が感染し組織を腐らせる病気ですから混泳している場合は別水槽に隔離し治療を開始します。感染部分が白濁し赤くなったりクリーム色の斑点が出てヒレは溶けるように壊死し口ぐされ病だと口元が白くただれ溶けるように壊死します。症状が軽い場合は0.5%濃度の塩浴で完治する場合もありますが重症な場合は塩+抗菌剤=観賞用パラザンDやグリーンFゴールドリキッドを規定量きちんと計測して薬浴します。カラムナリス菌は常駐菌ですから感染した個体からうつったり過密飼育やストレス、傷などで弱ったタイミングに発病するケースがあります。早期治療を心がけ病気にならないように水温や水質悪化に注意しましょう。エサの食べ残しや糞は水質悪化の要因です。定期的な水替えで衛生環境を整え予防することがベストです。

 

細菌性皮膚炎はエロモナス菌の感染によって起こります。症状はさまざまでウロコが逆立って体が膨らんでいるように見えることから松かさ病とよばれます。体の一部が充血し穴があく穴あき病。体に充血した点があちこちに現れる赤飯病。ヒレに感染すると尾ぐされ病に似ていますが赤く充血し進行が早いため治療を開始します。エロモナス菌はよくある細菌ですが元気なベタは感染しません。長い間エサの食べ残しや糞で汚れた飼育水のままでいたりエアレーションに甘んじて水換えを怠るなど衛生環境が悪い時に発生しやすい病気です。水槽の中ではバクテリアの働きにより亜硝酸塩が硝酸塩へと処理されアンモニアが発生します。硝酸塩はアンモニアや亜硝酸塩に比べ毒性の弱い物質とはいえ蓄積すればベタの免疫機能は低下します。水質が良ければかからないような病気にやすやすと侵されてしまうのです。定期的な水替えで予防可能です。ベタを網ですくうとスレて細かい傷が出来ます。この傷から菌が入る可能性がありますから網ですくいたい場合はは水も同時にすくえる専用の網を利用するとベターです。この網はベタ専門店で扱いがありカチョンと呼ばれています。

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ベタの寿命は儚いものです。ベタは半年で成魚に成長します。平均寿命は一般的に1年から2年と言われていますがキレイな水で温度管理に気を配り適量なエサを与えフレアリングでストレス解消し衛生管理の整った環境下で飼育すれば3年近くまで生きたという声も聞きます。タイのファームでは広大な敷地に大きな野外水槽を用い自然界に近い環境下で稚魚が育ちます。稚魚に、ゆで卵を細かくして与えたり成長過程においては乾燥したエサのみならず栄養豊富で高タンパク質、新鮮な赤虫などの生餌が与えられますので4~5年ほど生きた個体も確認されているそうです。このようなエサは栄養価が高いというメリットがあります。デメリットは水が汚れますので食べ残しを取り除き水替えをしっかり行う手間がかかる点ですね。とはいえ、はるばる輸入されたベタを飼育する私たちも出来るだけベタにとって良い環境を考えていきたいものです。四季がある日本の室内水槽においては時間が経つにつれ硝酸塩やCO2など有害物質の影響で水質は低下します。水草水槽を管理しバランスのよい水質維持ができれば最高ですね。ただしオスベタは縄張り意識が高い闘魚ですから1匹飼育が基本ですから個体が増えるほどプラケースや水槽の数が増えます。穏やかな性格のメスの場合、混泳もありえますがメスで気性が荒い場合はオスをしのぐ攻撃性を発揮しますからメスだから必ずしも混泳できるとは限りません。メスの2匹飼いだとトラブルが起きる確率が上がります。メスの混泳は3匹以上の方が穏やかに遊泳できる確率が高いです。混泳水槽において他のベタを傷つける恐れのある個体が出てきた場合は速やかに別水槽に移動させましょう。間違いなく混泳できるのは同じ親から生まれ一緒に育ったメスの個体同志です。タイ現地では同じ親から生まれたメス同志ならいつまでも仲良く同じ水槽で混泳が出来ます。ただし一度、別水槽に離れ離れで飼育してしまうと再び戻した時にトラブルを起こすことがあります。このような場合も速やかに隔離して飼育する必要が出てきます。縄張り意識が極めて高い性格のベタの場合、個別飼育の機会が多いのはこのためです。また、底に敷く砂・ソイルは水質を酸性に傾ける性質が強いタイプがあります。ベタにとってベストな水質である中性から弱アルカリ性を維持する目的でソイルを入れない飼い方が好まれる傾向にあります。ソイルや水草をキレイに配置し多種の個体をベタと共に混泳させている優秀な飼育者さんもおられます。素晴らしいアクアリウムの裏側には多くの涙ぐましい努力がうかがえます。数々の経験値をふまえ愛情をこめつつ徹底した水質管理を続けられている努力の賜物といえましょう。素晴らしいアクアリウムの世界は本当に奥深いですね。私はまだまだベタ飼育の初心者ですからソイルや水草はさておき生体の健康維持に集中してニンマリ可愛がりつつ飼育する日々です。低水温に気を付けキレイな水質維持をする努力次第で病気の予防は可能ですから、まずはこれが出来てから欲は後々に出していく予定です。低温や水質悪化で発病し治療が間に合わなければ弱るだけに留まらず死んでしまうため定期的な水換えが基本です。ベタの寿命には飼い主の手腕が大きく影響します。飼育環境でベタの寿命は大きく左右されると言うことです。飼育環境が良ければ健康状態も良好に維持できますので長生きする確率がグンと高くなります。水質悪化は病気を招きますから寿命まで生きられないという事です。出来るだけ長生きさせてあげたいですね。ベタにはエラの上皮が変形発達したラビリンス器官があるため空気中から直接酸素を取り入れることができます。酸素不足に強いという性質があります。ベタ特有のラビリンス器官の機能によりエアレーションなしでも充分生きられますが、エアレーションがあった方が物理ろ過のみならず、バクテリアの発生や生物ろ過も促進しますので頻繁な水替えが出来ない場合の強い味方となります。エアレーションは酸素補給だけでなく急激な水質低下を防ぐアイテムとなり得ますので使用できる環境ならば導入したほうがベターです。

 

ベタにもストレスがたまることがあります。フレアリングでストレスを解消してあげましょう。ベタは闘う魚と書いて闘魚トウギョと呼ばれ自然界では水源での縄張り意識が強いためフレアリングで敵を威嚇します。別の個体が縄張りに入るや否やエラや背ビレ、尾ビレを出来るだけ大きく広げて威嚇行動を始めます。この動作をフレアリングといいます。観賞魚用に品種改良されてきたベタですがフレアリングで大きく開いたヒレの状態はベタが最も美しく見える瞬間です。フレアリングはベタにとってストレス発散法であると言われています。ベタは縄張り意識が強い闘魚のため攻撃性が高く複数の混泳により傷つけ合い、ヒレがボロボロにになる恐れがあることから基本的にオスは1匹での飼育となります。1匹飼いが基本ですが水槽の中にポツネン...と淋しく漂うだけではストレスが溜まり運動不足になりますから1日に20分ほどのフレアリングをさせてあげましょう。ストレスから自分のヒレをかじってボロボロにしてしまうケースがあります。美しいヒレが傷つく事は避けたいですね。欠損回復にもフレアリングが大事なトレーニングとなります。ヒレの欠損は完全に治すのは難しい場合もありますが、飼育水の質を上げ栄養価の高いエサを与えることで、ある程度までは回復可能です。ヒレ欠損にはスーマSUM薬がよく効くますが、この薬はベタへの負担が大きく弱っている場合などはこの影響で寿命を縮めてしまう恐れもあります。状況をよく観察し使用する際は薬量と期間はきちんと守ってください。薬だけでなく赤虫など栄養素の高いエサを与えることがヒレの再生を促進させます。蚊を捕まえピンセットで与えると喜んで食べてくれます。フレアリングによってヒレの開きがキレイになりますから毎日のフレアリングは、より美しいベタに成長させることにつながります。まれにヒレが閉じて固まってしまう個体がいますがメチレンブルーを含むグリーンFゴールドリキッドなどの投薬で改善できますので泳ぎやすくなるように治療してあげましょう。メチレンブルー系にせよマラカイトグリーン系にせよ薬は色々なメーカーから販売されています。同じような商品名なのに成分が全く異なったり濃度が10倍も違う製品がありますから購入の際は成分をきちんと確認します。粉タイプなのかリキッドタイプなのか、自分はそれが扱いやすいのか。使用している水槽の容量も合わせて見極め選ぶと良いでしょう。

ラビリンス器官
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フレアリングトレーニングをさせる方法●水槽と水槽を隣り合わせ互いの姿を見せあいフレアリングをうながします。フレアリングはストレス解消につながるとはいえ普段いつも威嚇行動を続けていると疲れたり逆にストレスを感じてしまいますからトレーニング終了後は水槽と水槽の間に仕切りをして互いに見えないように工夫します。画用紙や厚紙を挟んでおいてもOKです。見えないように隠してあげられれば大丈夫です。ただし黒っぽい間仕切りやバックスクリーンが反射して鏡のように個体が映ってしまう場合があります。敵と勘違いしてストレスになるケースがありますから反射していないかどうかはよく見てチェックしておきましょう。●単独飼育の場合はを利用します。他の個体がいない場合はベタに鏡を見せると映った自分を敵と勘違いしフレアリングを始めます。適したサイズの鏡が手に入らない場合は専門店にてベタ専用ミラーも販売されています。扱いやすい大きさの鏡があると便利ですので入手しておくといいでしょう。●棒状のスティックを目の前に持っていきフレアリングを誘導します。ピンセット、マドラー、定規など何かスティック状の棒を目の前に持っていくと興味を持ちジッっと見つめてきます。そして喜んでフレアリングを始めます。コミュニケーションをとると愛着もわきますので時には遊んであげるといいですね。適度な運動はストレスを解消するだけでなく美しいヒレと健やかな成長に役立ちます。コップなど水量が少なく水質が悪化しやすい環境で長期にわたり飼っているとヒレの癒着が起こりヒレがうまく開かなくなります。フレアリングは癒着を防ぐためにも有効なトレーニングです。毎日のびのびとフレアリングできる環境を与えたいですね。

フレアリング
シャムの戦い魚

成長するとオスベタは泡で巣を作ります。ベタの繁殖はとてつもなく壮絶です。オスがメスを攻撃しメスのヒレはボロボロになってしまいます。まれにメスが反撃体制に入りオスがボロボロになるケースもあるようです。これがベタの繁殖で相性が悪い場合は最悪の結果、亡くなる場合もあります。プロのブリーダーでも相性良く無事に産卵に至るペアは10ペア中、3割から4割ほどだとも聞いたことがあります。オスとメスをペアにして3~4日しても産卵行動に至らない場合やメスの損傷がひどい時は組み合わせを考えなおした方がよいかもしれません。うまく産卵できたとすると数百個の卵が産まれますから繁殖を考える前に本当に責任をもって飼育できるのか考える必要があります。成長したオスは1匹ずつ個別飼育になります。オスの数ぶんの水槽を数十個も置くスペースは確保できるのか。メスは混泳できたとしても年間を通して20度以上で大型水槽やヒーターを準備できるのか。全ての水槽管理を楽しんで続けられるのか。実際、繁殖に成功したものの100匹近い成魚の越冬対策に苦悩する人もいます。ベタが可愛くて大好きで繁殖したのに理想の飼育環境で飼えないジレンマで自分を責めてしまう人もいます。親のベタがボロボロになりつつも晴れてめでたく卵が産まれたとします。が自然に大きく成長できる訳ではありません。孵化したての仔魚は極めて小さくメダカの針子の比ではありません。ベタの卵が孵化してからの1週間は魔の一週間と呼ばれます。うまくエサを食べさせてあげられないと全滅するという最悪の悲劇が待ち受けます。まずはメダカの針子クラスの大きさに成長できるまで微生物やプランクトンを頻繁に与えなければなりません。プランクトンの入手が容易でない場合は乾燥ブラインシュリンプを毎日、孵化させて与える作業が強いられます。通常のエサが食べられるようになるまで1か月使くブラインシュリンプを沸かし1日2回以上まめに与えられますか。親ベタがボロボロになるだけの結果にならぬよう繁殖は安易に行わずよく考えてから行いましょう。

繁殖
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ベタにとって繁殖は非常に体力を使う行為であり時に寿命を縮める事があります。成魚の雌雄をペアリングするとオスがメスに求愛行動をとります。オスがメスを激しく追いかけ回す為ヒレに穴が開いたりボロボロになることから壮絶であると言われています。ひとたび産卵行動を始めると卵を100個以上も生み次々と泡巣に運んで行きます。オスとメスが力を合わせて卵を泡巣へ運ぶ姿は微笑ましい限り実に感動的です。しかし微笑ましい光景もつかの間。全ての産卵が終了するや否や、オス親はメス親を追い払います。再びオスによるメスへの攻撃が始まるため速やかにメス親は取り出します。以上がベタの産卵行動です。がんばったメス親は充分ねぎらいゆっくり休ませてあげましょう。損傷が大きく痛ましい場合は塩とメチレンブルーでメンテナンスを施してあげると良いでしょう。一方で、大量にうまれた卵は底に沈んでいきますからオス親は懸命に口で拾い集め泡巣に戻す行動を繰り返します。オス親は不眠不休でエサも一切食べずに子育てに集中します。卵は2日ほどで孵化します。やがて仔魚が誕生しますが極めて小さい仔魚は全く泳ぐことができません。この時期の仔魚はまだエサを食べる事ができませんがヨークサックと言う栄養をお腹に蓄えています。泡巣からすぐ下に落ちてしまうのでオスはまだ泳げずに落ちてしまう稚魚を口で拾い集め一心不乱に泡巣へ戻します。仔魚は2日ほど絶つとようやく徐々に自力で泳げるようになってきます。ヨークサックの栄養は吸収しつくし次は水槽内の微生物であるワムシやゾウリムシを食べ始めます。インフゾリアという微生物を与えますが確実に与えるためにはインフゾリアの卵を用意し孵化させ与えます。更に2~3日経つとサイズが少し大きくなりプランクトン程の大きさのエサならやっと食べられるようになります。栄養不足にならないようにミジンコやホウネンエビまたは乾燥ブラインシュリンプの卵を購入し塩水で孵化させて1日2~3回与えます。きちんと栄養がとれた仔魚だけが無事に成長できます。この時期は魔の一週間と呼ばれあえなくエサを充分に食べることが出来なかった個体は落ちてしまいます。仔魚が自力でエサを食べられるようになった頃合いでオスの役割は終了です。オスはしばらく仔魚を守る行動をとり続けますが稚魚をすくわないようオスだけ取り出しゆっくり休ませてあげましょう。産卵から1週間ほどは稚魚が極小すぎて水槽のメンテナンスはできませんから、やむを得ずお休みし水替えも控えます。稚魚が小さすぎるため水替えが難しいことから食べ残したエサや糞はスポイトなどでこまめに取り除いきます。通常の水換えが難しいとはいえ水質悪化は避けたいところですので少量ずつ換えたり徐々に水を足す形での水質維持を継続します。稚魚のうちは同じ水槽内で仲良く混泳できますが成長するにつれオスは闘魚の気質が芽吹きはじめます。1か月半ごろから縄張り意識が強く出てくるため攻撃性が現れるのです。他の個体に影響が出ないよう個別飼育に切り替えていきます。ここまでの経過が順調にすすみ無事に繁殖が成功できれば感動も大きく可愛さもひとしおです。成長するにつれ食べられるエサも大きくなりすからメダカのえさを与えたり徐々に親と同じエサへとすすみ飼育はグンと楽になります。あとは元気な成長を見守るだけ。ベタの飼育法に絶対はありません。自分に合ったより良い飼育法で病気予防の水質管理に気をつけて思いっきり可愛がりましょう。※泡巣を作らずにオスの口の中で卵を守り孵化させるタイプのベタはマウスブリードと呼ばれます。マウスブリードタイプにはプリマやシンプレックス、グラディエータ、フェローなどの品種がいます。

インフゾリア
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過去から今まで多くの種の淡水魚を飼育してきました。そんな中でベタは最もイメージとは異なる奥深い観賞魚であると感じています。すでにベタの美しさや愛らしさに魅了されベタ沼にはまっている方。ベタを飼育してみようか迷っている方。飼いたいけれど種類や色が多様で選びきれない方。ベタの飼育は導入時点からその世界観にワクワクせずにはいられない方が多いのではないでしょうか。長くはなりましたが初めてベタを購入される場合は今一度、読み返し迎え入れる環境を整えてから可愛いと思える個体を飼育されることをオススメします。最後に寒い季節のヒーターはわすれずに!ベタは狭い空間が大好きです。ヒーターの隙間に入り込み挟まったまま★になる事故も多いと聞きます。ヒーター設置時は挟まる隙間がある場合はスポンジで埋めるなどの対策も必要です。ヒーターの寿命は1年から2年です。稼働環境や当たり外れもありますから予備で複数持っておくというアクアリストもおられます。ベタの元気がないと思ったらヒーターが壊れていて水温が低下していたという話はよくあります。新たなヒーターが入手できるまでの間は応急処置として温めた飼育水を加えて補うなどの工夫が必要になります。冬場は温度計をまめにチェックしたり水槽にふれてみて冷たくなっていないかどうか確認するようにすれば早く異変に気がつくことが出来ますね。ヒーターは温度設定可能なタイプやサーモスタットとは別になっているタイプなど多様ですサーモスタット付きのタイプは壊れた場合、丸ごと買い替えになります。サーモスタットとヒーターが分かれている物を選択するとヒーターが壊れてもサーモスタットは使いまわせるため別になっているタイプをあえて選ぶアクアリストもいらっしゃいます。なお、パネルヒーターについてですがパネルヒータを水槽の背面や水槽の下に敷いて利用する方法があります。パネルヒーターは手軽に導入できるのですが温度設定やサーモスタットがついていないタイプがほとんどです。ベタ飼育においてパネルヒーターによる事故が起きやすいので気をつけましょう。起こりやすい事故は数日かけてに温度が少しずつ徐々に上昇し水温が上がりすぎる事故です。パネルヒーターでいくつものビンやコップ、プラケースや水槽を温める場合、水槽同士の間が密着しがちです。これは効率よく温めるために行われる行為です。全ての水槽が平均的にうまく温められているうちは問題ありませんが室温が上がるなどの影響で中央部分に設置されていた水槽だけが異常に温まってしまう事故が多いと聞きます。パネルヒーターを利用する際は容量の少ない水槽や中央部分にある水槽が温まりやすい事を念頭に置いておきましょう。温まりやすい環境にある水槽だけが異常に高温になる事態を避けましょう。カルキを除いてベタにとって過ごしやすい水温を保ちましょう。

ヒーター
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