子供は物心がついてくると親の喧嘩を目の当たりにした場合、心に深い傷を負います。怖い。恐ろしくて胸がドキドキする。喧嘩が激しくなったらどうしよう。涙が出てどうしたらいいか分からず過呼吸状態になる場合もあります。家族で仲良く過ごしたいのに喧嘩がおこる原因は自分がいるせいだ。喧嘩は自分のせい。と考えるようになります。夫婦間の喧嘩の原因はひとつではなく色々な要因が関係していますが複雑な内容について子供は知るはずもありません。そもそも当人同士すら相手の気持ちを理解できないため喧嘩になるのですから。しかし純粋な子供は自分があの時ああしていれば喧嘩になることはなかったのに。自分がこうしたから喧嘩になってしまった自分のせいだ。家族で楽しくしていたいのに。大事な親に喧嘩はしてほしくないのに自分は喧嘩を止めることも出来ない。自分はいなくていいと思ってしまう場合があります。喧嘩はやめてほしくて「止めて！止めて！」と訴えても聞いてもらえず夫婦不和はやまず怖くて悲しくて寂しくてどうしたらよいのか分からずに心を痛めています。喧嘩を目の当たりにするたび苦しいという思いを抱え込んでいます。親の喧嘩を平気で見ていられる人はいません。このような中で育つ子供の辛い気持ちを親は考えなければなりません。トラウマから精神を害するという話はよくあることです。子供の性格に環境が影響し心身を毒することがわかっています。不安定な情緒。ある場面に遭遇すると思い出し緊張するトラウマ。脳の萎縮。居場所が無い寂しさ不安感。自己肯定の低下。このような辛い状況について相談する相手みつからない。自分はいなくていい。とまで考えるようになる場合がありますので注意してください。暴力がからむ夫婦喧嘩には激しい恐怖感や衝撃を受けます。言葉の激しいやりとりを目撃するだけでも脳や心に深いダメージがあるという研究結果が福井大学とハーバード大学の調査で発表されました。夫婦間の身体的暴力や暴言に接してきた人の脳をＭＲＩで調べると脳の一部が萎縮することがわかりました。委縮率の違いに着目してみると身体的暴力を見てきた人の萎縮率が３．２％。言葉の暴力にさらされていた人だと１９．８％。という結果がでています。身体的暴力より言葉による暴言を目の当たりにしていた人は脳萎縮が６倍も高いことがわかったのです。激しい夫婦げんかが子どもにもたらす感情のゆがみは深刻な問題です。脳科学的研究により異常発生のメカニズムが明らかになっています。日常的に夫婦の暴言に接すると脳の海馬や扁桃体に異常をきたします。怒りや不安を感じやすくなり視覚野の一部も萎縮することがわかりました。これは記憶力や学習能力が低下してしまうということです。両親の激しい喧嘩にさらされていた児童相談所の子どもたちは学校の勉強についていけない子どもたちが目立つため学習支援が必要です。感情のコントロールができない子どもには根気強く接しますが攻撃的な言動は簡単には直らないそうです。精神科医は長年の経験から暴力よりも暴言のトラウマのほうが取り除きにくいといいます。これは脳科学的研究による異常発生のメカニズムすなわち臨床現場での実感と一致するといえるのです。激しい暴言は深刻なダメージになると認識せざるを得ません。