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素朴な食事

乾燥ひじき注意点【家庭科教員監修】※無機ヒ素を除去してからの調理を!免疫アップにはミネラルに富む食品をバランスよく食べて健康維持に努めよう

和食を食べる女性

乾燥ヒジキには無機ヒ素が含まれています。含有量は他の海藻類と比較しても圧倒的に多いことが分かっており77mg/kgです。無機ヒ素を取り除くには、たっぷりの水で戻してから良く洗います。茹でる際もたっぷりの湯をもちいて茹でこぼせばリスクが高まる心配がありません。乾燥したまま調理することは避けてください。健康被害について厚生労働省の見解は以下の通りで過剰に継続摂取しなければ問題はないということです。体重50キロの人が毎日4.7g以上を継続的に摂取しない限りバランスのよい食生活を心がければ健康上のリスクが高まることはなく、1日あたりの海藻摂取めやす量は14.6g。その中でヒジキの摂取量を約0.6gほどにとどめるとよいとしています。農林水産省‭においてはヒジキは食物繊維を豊富に含み必須ミネラルも含んでいることからヒジキを極端に多く摂取するのではなくバランスの良い食生活を心がけるよう呼びかけています。免疫アップにはミネラルに富む食品は必須ですからバランスよく食べて健康維持に努めましょう。魚介類のヒ素はどうでしょう。食用の魚介類や海藻には数ppm~百数十ppmのヒ素が含まれています。数十年にわたりヒ素の分析が行われて来ました。私たちが魚介類や海藻を摂取しても慢性ヒ素中毒を発症しない理由は毒性が大変低いヒ素化学種であるためと考えられ ています。※ただし、ヒ ジキなどホンダワラ科の海藻はヒ素濃度が高く海藻の中では例外的に無機ヒ素の割合が高いので食べ過ぎす、バラ ンスのよい食事をすることが大切です。

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海外では日本ほど海藻類を食べない文化が古くからある。2004年7月イギリス食品規格庁によると、ヒジキは水で戻したとしても無機ヒ素を多く含む為あえて食べないようにと勧告しました。有機ヒ素より無機ヒ素が問題でありヒ素中毒による急性中毒の症状には下痢や嘔吐、腹痛、全身性の痙攣で死に至ることもあります。慢性中毒症状には皮膚炎や食欲減退、皮膚炎といった健康被害が海外では懸念されているようですが日本国内の健康被害の報告はありません。古くから海藻類を食してる日本人が今まで通りの食べ方をしていれば特に問題はないと言われています。ただし、乾燥したままのヒジキを調理することなく水で戻してから良く洗いたっぷりの水で茹でこぼす事で無機ヒ素含有量を軽減してからいただくように心がけてください。同じ食材を使っても調理方法によって摂取できる栄養には大きな違いがあります。 ヒジキなどの海藻はミネラルに富む食品ですからバランスよく食品を食べて健康の維持に努めることがポイントです。我が国においてヒ素は自然環境中に広く存在する元素で鉱物の風化などの自然現象によって環境中に放出され全国の土や水の中、農地に存在しています。環境基準や水道水に関する水質基準の設定は厳しく管理されています。我が国の水道水の基準は厳しく管理されており市販されている水より安全といっても過言ではありません。厚生労働省の水質基準項目は水道水において51項目です。これに対して市販の清涼飲料水は39項目。ヒ素について比較すると水道水の基準値の方が5倍も高く日本の水道水は安全と言われる理由はここにあります。大事なことはミネラルに富む食品をバランスよく食べて健康を維持する生活です。ヒジキは食物繊維や必須ミネラルも多く含んでいます。体に良いからといってヒジキばかりを極端に多く摂取するのではなくバランスの良い食生活を心がけましょう。健康維持に水分が大事とはいえ飲みすぎては水中毒に陥ります。海外では死亡例もありますから何でも過ぎるは及ばざるが如し。適量をバランスよくいただくことが重要です。

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我が国の水道水は安全です。市販のミネラルウォーターよりも厳しい多くの基準項目をクリアしているからです。しかし海外においてはまったく異なります。自然由来のヒ素被害といえば井戸水汚染があげられます。世界に目を向けると安全な飲料水を確保することが困難な人口は20億人を超えています。なかでもバングラデシュやインドベンガルは深刻で日本におけるヒ素の基準0.01mg/L(ppm)の数十~数百倍もの濃度のヒ素を含む井戸水を飲用にするしかありません。数十万人もの慢性ヒ素中毒患者が生じている現状です。これは人為的な汚染 ではなく自然由来の無機ヒ素によるものです。このような健康被害は中国やネパール、タイ、アルゼンチンメキシコ、チリなどの各地で報告されています。被害人口は数千万人に及び患者はこれからも増え続けることが予想されている問題です。
 

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人工的なヒ素被害や混入事件がありました。粉ミルクに混入した無機ヒ素を摂取した乳児が100名以上も死亡してしまいました。徳島県内の工場で製造された粉ミルクが原因です。この事件は1955年に西日本各地で約12,000人の乳児が約3ヶ月にわたって無機ヒ素を摂取したというものです。死亡せずとも神経障害や臓器障害を発症しました。粉ミルクに添加 されたリン酸化合物の中にヒ素化合物が不純物としてして含まれていたのです。1998年7月の和歌山市カレー事件では4名が死亡し63名が急性ヒ素中毒になりました。無機ヒ素As2O3亜ヒ酸の粉末が混入されたカレーを食べた夏祭りの参加者が犠牲になりました。生存者においても尿や髪のヒ素濃度が正常値範囲に回復するまでには2~3ヶ月を要しDNA損傷も危惧されました。2003年3月に筑波大学病院で神経症状の認められた子供を診察した医師が飲用にされている井戸水に問題があるのではないかと疑問をいだきました。茨城県衛生研究所で神栖町 (現神栖市)の井戸水を調べた結果、ヒ素濃度が異常に高いことが分かりました。それは普通に見られる無機 ヒ素ではなくジフェニルアルシン酸という化合物であると判明。戦争中、毒ガスの原料に用いられたものでした。汚染源はコンク リートで固められており養魚場を埋め立てるために運ばれた土砂の中に混じっていたようで地下水の移動に伴い汚染が拡散したのです。旧日本軍の毒ガスの処理に関しては他にも事案がありますが明確な処分記録がなく未だに問題を抱えています。

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