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【昔話のよみきかせ】十二支の由来『じゅうにしのはじまり』※想像力豊かにお話をたのしみましょう|

むかしむかし、あるところに神さまがいました。神さまが天と地と動物を作られたばかりの頃のお話です。神さまは動物たちに手紙を出しました。「動物たちよ、元旦の朝、私の宮殿にあつまりなさい。一番はやく来たものから十二番目のものまで、順番にその年の守り神にしてあげよう。」 神さまから大事なお役目をもらえるというので、動物たちは、ハリキって元旦を待ちました。しかし猫だけは集まる日をすっかり忘れてしまいました。猫はネズミのところにききに行きました。 「ネズミさん、ネズミさん、神さまがおっしゃった日は、いつだったっけなぁ?」 ネズミは、猫がこなければ自分がえらばれると思いました。
「ああ、猫さん、たしか神さまは、二日の朝に来るようにとおっしゃったのじゃよ。猫さん、おたがい、がんばろうなぁ。」と、うそを教えたのです。 気のいい猫は、ナズミのことばをすっかり信じてしまい、スヤスヤと寝入ってしまいました。

12月31日の夜のことです。牛は自分の足のはやさがゆっくりなことを知っていますから、夜のうちから出発しました。ひとばんじゅう歩いて、神さまの宮殿に着こうという考えたのです。そこへネズミがやってきて牛の背中にとびのりました。牛に運んでもらおうと考えたのです。牛は野を越え、山を超え、谷を越え、夜道をゆっくり歩きます。

元旦の朝がやってきました。動物たちは日の出とともに神さまのところへ向かいました。正月の朝日が白々とさしてきました。そのころ牛は、ようやく神様の宮殿にたどり着きます。ネズミは先頭をあるいている牛の角につかまっていました。もうすこしで神さまの宮殿につくというところまでやってくると、ネズミは牛の角からピョ~ンとびおりました。ネズミは一番のりで宮殿の門をくぐり神さまのところへ着いたのです。ネズミにつづいてが門をくぐりました。その後に、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪の順番で神さまのもとにたどりつきました。神さまは集まった動物たちにお酒やごちそうをふるまいました。みんなで楽しく飲み食いして、また帰っていきました。

トピック 

猫は元旦の朝もたっぷり寝坊をしました。そして二日の朝はやく神さまのところへ行きました。猫がひょっこり神さまの宮殿につきました。ほかの動物たちが来ていないので、てっきり自分が一番だと思いうれしくなりました。猫は 「神さま、わたしが一番ですね。だいじなお役目をいただけますか?」 と、いいました。 神さまは、すこしあきれたような顔をして、 「猫よ、わしは元旦に来るようにいったはずだよ。ざんねんだが年を守る役目はもうきまってしまった。」 と、いいました。猫はボーゼンとしました。そこで猫はネズミにだまされたことを知りました。猫は、たいそうくやしがりました。 それいらい、猫はネズミを見ると追いかけ、つかまえて食べるようになったということです。
 


 

※読み聞かせ中、子どもの脳は非常に活発になります。脳は喜怒哀楽を生み出し、感情に基づき基本的な行動を決める大切な部分です。共感や、同情、相手の気持ちを理解する力もつきます。想像力が豊かになり、情緒安定にも役立ちます。健やかな成長のために、読み聞かせは最適です。ものごとを楽しいと思える心や、好きなものを見いだせる心を育むことができます。 やさしさ、悲しさ、世界の美しさ、かかわるという事。絵本からは実に多くのことが学び取ることができるのです。子供との読み聞かせの時間はぜいたくなものです。一緒にお話をたのしみましょう。

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